第37回 株式会社講談社 水野圭さん 西川真之介さん 2009年10月26日
菊池雄星というスターが出現した今夏の甲子園。また中京大中京と日本文理が歴史に残る死闘をみせた決勝戦。今年の夏は甲子園が熱かった!
そんな高校野球を予選から甲子園大会まで、今までと違う角度からフォーカスした「検証甲子園2009」
第37回独占インタビューはその「検証甲子園2009」を企画立案した水野さんと西川さんです。甲子園を伝える側として、甲子園、高校野球をどう見られているのか、お話を伺ってきました。
株式会社講談社 水野圭さん 西川真之介さん インタビュー
スタッフ(以下「ス」) 野球部で過ごした高校時代を終えて、再び野球に携わる仕事をされていますが、今はどんな思いで高校野球を見ていますか?
水野さん(以下「水」) 何とも恥ずかしすぎる話ですけど、僕は高校時代、坊主になるのがイヤで野球を辞めたんです。で、当時は特に何も感じていなかったんですが、社会人になってからですかね、すごく後悔し始めたんです。あのとき3年間、夢中でやっておけばよかった、と。だから今、小学校、中学校時代に感じていたような高校野球への憧れ、みたいなものが甦ってきています。「みんなカッコいいなあ~、オレもこれくらいやってみたいな~」って感じで。だから『検証甲子園2009』は選手のみなさんに対していろいろな評価をしていますが、担当編集者の根っこには「みんな頑張れ! カッコいいぞ」という気持ちがあります。
西川さん(以下「西」) レベルが上がりましたね。いまは、エースが140km/h投げて当たり前。強豪校は、140km/h越えの投手を二枚以上揃えている。私の高校時代から10年以上経っていますが、当時の甲子園出場校は、今年出場した高校に一つも勝てないのではないでしょうか。
「ス」 再び高校野球に携わる仕事をするきっかけは?
「西」 今年夏までの1年半、『週刊現代』で著者の小関順二さんに「野球よ、止まれ!」というコラムを連載していただきました。これはプロ野球を中心に取り上げたものでしたが、連載が終了することになり、「今度は高校野球をやりましょう」という話になったのです。
「水」 会社に入ってからずーっと週刊誌にいて、どちらかといえば硬めな社会問題を取り扱っていました。プロ野球の記事などもたまには作っていたんですが、いわゆる“週刊誌的”な角度で社会問題と結びつけたもの、また、あんまり言いたくありませんが、スキャンダラスなものも書いたことがあります。ところがこの6月、書籍の部署に異動になりまして、一番最初の企画会議で「高校野球の本が作りたい!」と提案したんですよ。そもそも出版社に入ったきっかけは、僕の趣味や興味のある事象を本にしたい、と考えていたからで、真っ先に出てきたのが「高校野球」だったんですね。
そこで声を掛けたのが、週刊誌時代の同僚の西川君だったわけです。
「ス」 改めて高校野球の良さってなんでしょう?
「西」 やっぱり、「負けたら終わり」ということに尽きるんじゃないでしょうか。10年以上も前になりますが、いまだに、最後の試合の緊張感は覚えています。
4000校以上が出場し、1校を除くすべての高校が負けて夏を終えるわけですからね。
「水」 僕はドロップアウトした人間だから、緊張感みたいなことは客観的にしかわからない。だけど、観戦者としていうならその儚さと、選手たちの未完成なところは魅力的ですね。
「ス」 高校野球をしていたことが世の中に出て生きている事ってなんですか?
「水」 実質やってないんで…。目先の誘惑に負けると損するぞ、ということですかね。野球をやったことで、仲間をすごく大切にする人間になったとは思います。
「西」 大学でも、社会人になっても野球を続けることができたこと。
野球を通して生涯の友を得ることができたこと。
「ス」 逆に高校時代にできて、今出来ていないことは何かありますか?
「西」 野球そのものができていないかもしれません。動けないので草野球でもファーストが定位置です。
「水」 確かに体力的には決定的。上腕骨を折ったときは人生で初めて“老い”を感じた瞬間でした……。真面目に言えば、無駄な世間知がついてしまっていて、がむしゃらに練習する、とかできません。不可能と思える困難な目標を平気で設定できた当時が懐かしく、羨ましいですね。
「ス」 頑張っている球児にメッセージを
「西」 甲子園だけが高校野球じゃありません。練習環境、人間関係など必ず悩みはあると思いますが、簡単に野球部を辞めないでほしいですね。
「水」 同じく辞めちゃだめです。もったいないです。エラい人たちが、野球をやることで人間形成になるとか、努力は実を結ぶとか、紋切り型で言いますが、それ、本当です。
また、みなさんの姿に憧れている人、応援している人が想像以上にたくさんいます。
「ス」 最後に検証甲子園2009のPRを。
「水」 本の「あとがき」で小関さんが「さまざまな面から高校野球を楽しめる一冊になったのではないか」と書いていますが、逸材選手の評価、高校野球の持つドラマ性、観戦記、球場の雰囲気、地域性などいろいろ盛り込まれています。とりあえず、これまでなかった本には仕上がったと思います。もっともっと内容を充実させて、是非2010年版も作りたいですね。
「西」 メディアでは花巻東の菊池雄星君ばかりが取り上げられていますが、10月29日のドラフト会議までに読んでいただければ、全国には、まだ知られていない“金の卵”がたくさんいることがわかると思います。
ぜひ、現役の高校球児たちにも読んでもらいたいですね。
- 株式会社講談社 水野圭さん 西川真之介さん
- 2009年6月水野さん書籍の部署への異動
同僚の西川さんに声をかけ、「高校野球」の本を作る事を決める。 - 「検証甲子園2009」を制作。
- 2009年10月5日より、書店にて「検証甲子園2009」好評発売中!
- 2009年6月水野さん書籍の部署への異動

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