インタビュー


第27回(前編)東京ヤクルトスワローズ 宮本慎也選手 2009年01月15日


第27回独占インタビューは東京ヤクルトスワローズの宮本選手です。
WBC・北京オリンピックのキャプテンも務めるなど国際経験も豊富の日本を代表する選手に今回は野球に対する取り組み方、意識の持ち方を中心にお話を伺ってきました。少しでも皆さんの参考になれば幸いです。


自分をアピールする

スタッフ(以下「ス」) 名門・PL学園に入り大勢の部員の中でどうやって自分をアピールしたのですか?

宮本選手(以下「宮」) 馬鹿にされるかもしれませんが、元気を出すというのは実力以外にも目はいきます。人より声を出す事によってパッと目は行くと思います。そこで見てもらうしかないので、声を出すというのは大事だと思いますね。それに野球のプレーの中でも声を出すというのはたくさんあるので。本当に単純ですが、練習で人より声を出す。ノックを受ける時でも順番が関係ないのであれば一番最初にノックを受けにいくとか、そういう事だと思います。指導者の方も見ていると思いますよ。

 野球に取り組む姿勢ですね。

 そうですね。声を出すことは恥ずかしいことでもやらしいことでもないわけですからね。ただ見ていないところで手を抜くというのは論外です。

だから練習に対する姿勢、野球に対する姿勢というのは普段からコツコツやるというのを積み重ねないと、一日二日でこいつは野球に対する姿勢が素晴らしいとはならないので、やはり1ヶ月2か月3か月4か月と積み重ねていくうちに周りからも評価されるので。野球に対する姿勢は積み重ねるしかないですね。

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思いやり

 以前、高校生に聞いたことがあるんですよ。何故グランド挨拶するの?って。そしたらわからないと。声出しなんかもそうですが、声を出せと言われるから出している選手が意外に多いのかもしれないです。

 ん〜。必要な時に必要なだけの声を出せるのかというのが野球では非常に大事ものだと思います。グランド挨拶するのは「今から練習させて頂きます。グランドを使わせていただきます。よろしくお願いします」という気持で挨拶するのが基本ですよね

 そうですよね。挨拶することによって自分の気持ちもシャキッとしますよね。

 そうですね。

 形ばかりが先行して中身が抜け落ちているというのが非常に多い気がします。前に宮本さんにお話を伺った時に印象に残っているのが、同志社大学時代に宮本さんが監督に言われたとおっしゃられた、「自分にとってはストライクかもしれないけど相手にとってはストライクじゃない。」そういう事に繋がってくると思うんですよね。相手を思ったりとか。

 今は環境がそうかもしれないですよね。実際にチームスポーツというのはお互いの為に、勝つ為にやりますよね。野球ならヒットを打つためにホームランを打つためにやるわけではないんですよ。勝つか負けるかの中で勝ちたいからヒットが打てれば良い、勝ちたいからHRを打てれば一番良い、勝ちたいから進塁打を打てれば良いと思うんですよね。今は逆になっている子は多いですね。

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自分から考えて行動する

 僕は今年一年がみがみ言いましたが、文句を言っている奴は分かります。ただ文句を言うような奴には話をしないといけないのかなと思います。話を聞いて尊重して、でもこんな考え方もあるよと話をしないといけないのかなと思います。

 なるほど。考えない選手って多いのでは?

 分かります。分かります。考えないですね。

 そこが宮本選手のジレンマなのでは?

 そうですね。僕は考える事をしないと僕はこの世界で生き残れないと思っているので。よく自分のスタイルとか言いますけど、僕はその場その場で合わせるのが自分のスタイルだと思うんです。自分のスタイルでやってみて駄目なら変えないといけないと思います。その先見えないですよね。同じ事をず〜っとやってもしょうがないですよね。同じ失敗ばかりして、今の選手はそういうのが多いですね。

野球界だけではないと思いますが、自己中心的な考え方が多いと思います。

多分、若い子は若い子なりに一生懸命やっていますが、僕らの代の一生懸命とは違いますね。

 仮に例えばそうやって宮本選手が手取り足取り教えてあげるとするじゃないですか?でも、そうするとその選手は人から与えられるものを待つと思いませんか?

 今の子は自分から聞きに来ないですよ。上手くなりたいと思っているなら、聞きに来れば良いのに、自分から距離を作っています。ま、僕は自分ではフランクに声はかけているつもりですが。(笑)

仮に(僕が)聞きにくい雰囲気をつくっているので聞きづらいというのであるならばそれは間違いで、自分が上手くなりたかったら(自分から)聞きにいくべきだと思いますね。いろんな話をきいて自分の為にすればいいわけです。ただそこに飛び込む勇気が中々ないんですね。結局は行動出来なかった時に人のせいにするのが多いですよね。僕は言い訳するのが嫌です。誰でも失敗するので、そこですいませんでしたと誤れば良いのを言い訳するんですよね。すいませんと謝る心があってこそ反省し、次に活かせるのにと思います。なんかで言い訳して逃れたら次も多分同じようなことをするから進歩はないと思いますね。

 野球選手には本を読んで欲しい。本の中に答えはないですけど、考えるべきヒントは一杯ありますもんね。

 そうですね。僕もそんなには読んではいないですけど、今流行っている本とか人から勧められた本とかを読んだりします。気持ちの持ち方であるとか野球に転換できるヒントはあると思いますね。読み過ぎるのは良くないと思いますけどね。自分の考えが無くなるような感じがします。

 そうですね。ただ考える習慣はつきますよね。

 なんでこうなるのかとか例えば自分ならどうするのか?それだけでも全然違いますよね。FAの交渉でもそうですよね。こいつらは何を考えているのかな、何をどうしたいのかな?自分ならどうしようかな?とか考えたりするのも一つですよね。

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チームワークについて01

 チームワークのとらえ方っていろいろあると思います。宮本選手は、チームワークはあると思いますか??

 あると思います。チームワークとはよく個々が勝つためにやればチームワークが生まれると言われますが、できれば意思統一がある方が良いですよね。

高校時代に僕は寮生活も含め色々な決まりがありました。その中で何が一番身になったかというと一人の為にみんながやる事ですよね。そして、みんなの為に一人が動く事です。それが団体生活ですごく学ばせてもらった事なので、僕はそれは野球にも当てはまるのではないかと思います。

例えば、その場面で自分は打ちたいけど右に進塁打をうたないといけないとか。みんなの為にそうするわけじゃないですか。そういう気持ちを素直にできる選手が沢山いればそれはチームワークが強いと言えるのでは。

それをヒットが打ちたいからと言って欲を持ってヒットを狙いに行く。それで仮にヒットを打てても、それで良いとは僕は思わないですね。個人競技ではないのでね。確かにプロは成績残して初めて給料が上がるので。。。ま、そこが一番邪魔になっちゃうんですよね。でも強いチームというのはそういう部分で他のチームより上にいっているので優勝できると思うんです。

 なるほど。では、スタンドで応援している高校三年生が本当にチームに勝ってほしいと思っていると思いますか?

 どうなんですかね〜。でもそこが三年間本当にみんなで苦労を分かち合って三年間頑張って、できたかどうかだと思いますけどね。圧倒的な戦力をもってチームワークがないようなチームだったらもしかしたらいるかもしれませんね。

だから僕らの時は例えば、1年生の時は誰かがミスをしたらみんなが怒られるからみんなでそこを助けようとするし、やっぱり自分のミスで怒られる時は一人ではなく全員で怒られるのでやはり申し訳ないなという気持ちも出るし、そういうのが多分、チームワークになっていくのでは。特に高校生なんか。僕は寮生活をしていたので特にそう思います。通いでもそうだと思いますよ。

今、当時の同級生と集まっても苦労した話ばっかりですもんね。(笑)いい時の話なんかない。(笑)あまえがあの時あんなことしたからみんなで殴られたとかね。(笑)

 そういうことで一体感が培われているんですよね。

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プロフィール

宮本慎也選手
  • 生年月日:1970年11月5日
  • 出身地:大阪府
  • PL学園-同志社大学-プリンスホテル-ヤクルトスワローズ 入団
  • ゴールデングラブ賞6回
  • アテネ五輪・第一回WBC・北京五輪日本代表
  • 後編はこちら
    宮本慎也選手
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