独占インタビュー 第44回 東京ヤクルトスワローズ 高井雄平 選手2010年02月28日
今回独占インタビューは昨秋から野手に転向した東京ヤクルトスワローズの高井選手です。
転機の2010年。高井選手はどんな思いで野球に取り組んでいるのでしょうか。
高校生左腕では初の150キロのストレートを放る投手として注目を浴びた高校時代の話を伺いながら、投手・野手の違いやトレーニングに関する話まで伺ってきました。
打者転向について
スタッフ(以下「ス」) 打者転向。手ごたえは?
高井選手(以下「高」) 大変です。甘くないですよ。
「ス」 高校時代は強打でも鳴らしました。
「高」 ん~、違いますね。すでに高校時代よりはいいと思います。ただレベルが違いますから。そこから更に上に上がらないと使えないです。本当に大変です。
「ス」 投手と野手の練習で共通点とかはありますか?
「高」 トレーニングという点では、投手もかなりハードでしたので、トレーニングをこなすという事については、共通点はありますね。
技術面では、僕も最近わかるようになってきたのですが、投げ方と打ち方は似ています。最短で腕をだして投げる。最短でバットを出す(インサイドアウト)この動きは一緒だなと思いますね。投げ方が悪いと打ち方も悪いです。
「ス」 なるほど。投手時代の試行錯誤が活きているんですね。
「高」 そこは分からないです。投手として大成していないので。ただ最近投げ方も分かってきたんですよ。でもそれは野手をやったからこそ分かってきたとうのもあります。ま、そういうのはプラスに考えています。
バッティングを教えてもらいながら、投げ方も教えてもらったりする中で、「あっそっか」という気づきが凄く多いですね。もちろん投手の時も教えてもらっていました。ただ、自分の中でどこかで納得できなかったり、上手くいかなかった部分がありましたが、今はしっくりきていますね。
広岡さんにも教えてもらい、改めて投げ方と打ち方は一緒だなと実感しています。
「ス」 打者としてはどんな選手を目指していますか?
「高」 足を使った選手になりたいですね。具体的な数字はまだやっていないので分かりませんが。
「ス」 フェニックスリーグからの打者転向。現在の感覚は?
「高」 フェニックスでは6試合でヒット1本しか打っていないんですよ。30打席ぐらいで。やばいな。0割台だよ、だなんて思いましたね。
そんなに甘くはないなとも思っています。ただ今は、やってみて難しさもありながら、なんとか頑張ればできるのではとう気持ちで取り組んでいます。
基本の大切さが分かった
「ス」 投手をしていたからこそ学んだことはありますか?
「高」 今から思うと投手時代はスローイングにしても基本ができていなかった。色々試行錯誤しましたが、結局は基本をおろそかにしてしまったのかなと思います。だから、基本を怠らないことを学びました。
でも当時はその基本が何かが分からない。頭でイメージできていなかった。基本の大切さは認識しているのですが、その基本が何かが分からない。だからそれ以外の部分で色々と試行錯誤していたそんな時期です。
基本をやりなさいといわれても、じゃあその基本ってなんですか?っ言われた時、僕はその基本が何かで凄く悩んでいましたね。
今は基本の積み重ねです。基本をとにかくこなして、こなして。
高校時代

「ス」 どんな意識で練習に取り組んでいましたか。
「高」 目標を明確にしていました。
高校では、毎日練習前にノートを提出していたんですね。その日の目標を書いて、毎日提出です。
それをマネージャーとか監督がチェックしてくれました。
僕は大きい目標とその日の目標を立てて、その日の目標には「トレーニングの目標」と「技術の目標」、両方を立ててやっていましたね。
大きな目標を達成する為に今日は何をするのか、を常に考えてやっていました。
「ス」 凄くいい習慣ですね。
「高」 そうですね。凄く自分にとってはタメになりました。
「ス」 なるほど。トレーニングと技術の両方の目標を持ってやっていたんですね。高校生にとっては体力も重要ですよね。
「高」 体力は重要です。基本を身につけるにはやはり練習量が必要です。そして、それをこなせる体力です。身体が弱くて身体を使いこなせないと基本の積み重ねができないので、トレーニングは大事ですね。
身体能力をあげて幅をもたせないと。土台ができていないと、練習でも技術の修得に影響がでます。
基本的に野球は技術ですから。どんなに早く走れても、投げれないと意味ないですから。
例えば、良いフォームで100球連続投げる、とか。良いフォームを継続してできるにはフィジカル的な強さが絶対的に必要だということです。
特に高校生なら両立させながら上達していくことが重要ですよね。
練習について
「高」 今は楽しいですね。
バッティング・スローイング・走塁、すべてにおいて、もっと良いのがあるんじゃないのかな、もっといい方法があるんじゃないかなと、そんなことばっかりを考えながらやっています。
マニアックです。でもみんなプロ選手はそうですよ。結局は野球オタクです。
「ス」 答えが最初からあったらこれまたつまらない。自分の中であれこれアンテナを張って、考え出す。そういう力が大事ですよね。
「高」 青木さんとか凄いですよ。青木さんはシーズン中に打てないときはずっと考えているんですよ。何で打てないのかとか。そうすると出てくるらしいです。答えが。
考える作業が秀でています。だから凄いと思います。
「ス」 青木選手は考える習慣があったからこの位置にいるんだろうね。考える力をどう磨いていくのかが重要。技術練習と同様に頭を磨いていくことが重要ですね。
「高」 考える。深く考える。妥協せずに深く考える。ここが重要だと僕も思います。みんないき詰まるとどこかで妥協しがちですが、そこで考える。深く考える事ですよね。
ただ練習でバンバン振っている人が練習しているかというとそうではない。家に帰ってもず~っと深く考えている。それも練習ですからね。
それで答えが出て練習に取り組む。そっちの方が考えずに量をこなしている選手よりも絶対的に効果が出ている。青木さんをみてそう思いますね。凄く勉強になります。
「ス」 なるほど。では今は充実しているんですね。
「高」 今は上手くなりそうだなと分かりながらやっているので、楽しいです。考えて自分で納得しながらやっています。充実しています。
高校生にメッセージ
「高」 3年間は凄く短いです。過ぎたらあっというまです。目標を立てて悔いの残らないようにやってもらいたいですね。気持ちの中でムダな日がないようにしてもらいたいです。
東北高校に入学した時は、僕も3年間は長いかなと思ったのですが、後藤さんをみて目標ができたので、とにかく後藤さんを抜こうと思い、意識を高く練習を続けることができました。だから充実した3年間でしたね。
僕は3年間そういう気持ちでやってきました。
結構、粘れた方だと思いますよ。(笑)
「ス」 ありがとうございました。
編集後記
まるで野球小僧にような表情が印象的だった高井選手。今は高校やプロ1.2年目の時、以来の「上手くなっている」事を実感して野球をしているそうです。投手時代に相当悩み、それが打者転向により、考える力に転換している。色々な意見や考えを上手く自分で受け入れ、判別し咀嚼できる力があると感じました。今後どのような選手になるか楽しみですね。
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