第9回 水分補給について2009年04月13日

桜の花も散り、野球の季節がやってきました。球児のみなさんは、基礎トレーニング中心の練習から実戦形式、練習試合、公式戦と慌しくしていることでしょう。
さて、先月まで、食事の大切さや栄養素の働きについてお話しました。
今月は、五大栄養素と同じくらい大切な「水」についてお話します。(五大栄養素については第2回コラム をご覧ください)
みなさんは、練習中にどのように水分補給をしていますか?私が野球部に顔を出したときによく聞くのが「喉が渇いた時に、飲みたいだけ飲んでいます」という答え。
「喉が渇いた!!」は、体内の水分が減り、血がドロドロになったときの「体の悲鳴」です。体内の水分が減ると熱中症(暑熱環境で発生する障害の総称。熱失神、熱けいれん、熱疲労、熱射病などに分けられる)になることがあり、重度の場合は死亡事故につながることがあります。
死亡事故まで至らなくても、練習が思うようにできなかったり、練習を休まなくてはならなかったりとマイナスの面ばかりです。そうならないために、普段から予防をすることが大切です。
まず、大切なのは練習中にしっかりと休憩時間をとることです。練習中は体温が上昇していますから、休憩時間には日陰で休んだり水分補給をしたりしましょう。体温を下げるために、冷やしたタオルで体を拭くのもよいでしょう。練習中は汗をたくさんかきますよね?汗も体温を下げる役割があります。しかし、体内の水分が少なくなくなると汗は出にくくなり、体温はあがってしまいます。そうならないためにも、しっかりと水分補給をしましょう。
水分補給のポイントは次の4つです。
①喉が渇く前に飲む。
⇒「喉が渇いた!!」と思ってからでは遅い!!渇く前に飲みましょう。
②こまめに少量ずつ飲む。
⇒一度にたくさんの量を飲んでも、体は吸収できません。15~20分に1度、コップ1杯(200~250ml)を目安にしてください。最低でも30分に1度はとりましょう。時間のあいた選手が自由飲めるようにするのもよいでしょう。
③冷たいものを飲む。
⇒体温を下げるために、冷たいものを飲みましょう。温度の目安は、5~15℃です。冷たすぎると吸収の妨げになりますので、冷蔵庫から出して少し置いたくらいを目安にしましょう。
④汗をたくさんかくときは、塩分も一緒にとりましょう。
⇒汗からは水分と一緒に塩分も失われます。0.1~0.2%の食塩水で補給しましょう。練習が1時間をこえるときには、エネルギー補給として糖分を摂取するとよいでしょう。糖分の目安は5%程度です。
水分補給は、お茶や水、市販のスポーツ飲料でという人が多いと思います。市販のスポーツ飲料を飲むときは、一度裏面の成分表示を見てみましょう。ナトリウムが100ml中に40~80mg入っていれば、0.1~0.2%食塩水に相当します。もちろん、自分でつくることもできますから、食塩と砂糖、そしてお気に入りの果汁なども使ってオリジナルドリンクをつくってみましょう。
体内の水分を減らさないために、普段からしっかり意識することが大切です。栄養素同様、少しずつ習慣づけていきましょう。
- 鎌倉 彩さん(SANQ~九州スポーツ栄養士会~代表)
- 1985年長崎県出身。
- 福岡県立城南高等学校、中村学園大学短期大学部食物栄養科を経て、2005年4月より外務栄養士として一般企業に勤務。短期大学部時代より高校野球部やボーイズリーグの選手・保護者・指導者を対象とした栄養講座を開講。2007年、食育セミナーも始める。2007年春より、「スポーツ栄養」を学ぶ管理栄養士・栄養士と栄養士を目指すメンバーで構成されたSANQ~九州スポーツ栄養士会~を始める。
- 栄養士・フードスペシャリスト・食育指導士
- 日本スポーツ栄養研究会会員














