コラム


殖栗正登のバランス野球学

野球と姿勢 ~歪みを見つけ、矯正しよう~2009年09月23日

【イメージ01】

体の歪みを見つける簡単な方法

 前回の連載では、姿勢が野球にとっていかに大切かということをお伝えしました。姿勢が崩れてしまったり、体に歪みが生じてしまったりすると、満足なパフォーマンスが発揮できなくなる。また、姿勢が崩れてしまう原因は偏った練習や、普段の生活のなかにある。これらの点は理解していただけたでしょうか?

 そこで今回は、その「歪み」を見つけるための方法を紹介していきたいと思います。
なかなか難しいと思われがちな姿勢診断ですが、見ていくポイントさえつかんでいれば見誤ることもありません。きちんと歪みを見つけ、的確な手段をとることができれば姿勢の矯正も可能となるはずです。
テストにはいろいろありますが、一番シンプルで簡単なものを紹介しましょう。まずは次の写真【イメージ01】を見てください。

 見てほしいのは 『耳・肩・股間節・ヒザ・くるぶしの前』 のラインです。この5箇所がきれいな一直線を形成していれば、いわゆる「いい姿勢」となります。
写真では若干斜めからの視点になっているので見方は難しいですが、少しヒザが曲がって頭が出てしまっているのがお分かりでしょうか。

彼の場合はヒザの裏側が固いせいでヒザが曲がり、骨盤が後傾しています。その影響から首が前に出てしまっているというのが検査結果です。

 さらに次の写真【イメージ02】は後ろから見た様子です。
これも少しわかりにくいですが、右の肩が下がって首が左に傾いています。おそらくボールの投げすぎで肩を酷使したために、肩を持ち上げる筋肉が弱くなってしまっているのでしょう。これは野球選手に多く見られる状態ですので、ひょっとすると皆さんの肩も下がっているかもしれませんね。


  【イメージ02】

 写真のモデルが歪みを矯正するためには、ストレッチと筋トレをうまく組み合わせることが必要となります。まず、固くなっているヒザの裏をしっかりストレッチし、体のバランスを整えます。そのうえで背中(脊柱起立筋)の筋トレ、たとえば デッドリフト や バックエクステンション などを行ってやると、じきに姿勢が矯正されていくでしょう。また、肩に関しては シュラッグ などを行って 僧帽筋 を鍛えます。彼の場合は胸筋の発達が強いので、 胸のストレッチ を行ってやることも必要です。

 他の例を挙げると、野球選手で多いのは足の長さが違うということがあります。野球ではどうしても偏った動きが多くなるために、足の柔軟性や筋肉のつき方に差が出てしまいます。それが足の長さの違いにまで発展すると、当然パフォーマンスにも影響が出てしまいます。多くの場合、投げる際に軸足となる足(右投げなら右足)の内側が固くなり、逆の足の内側が弱くなっています。右足の収縮が強いため、右足が短くなっているケースが多いというわけです。矯正法はここでもやはり筋トレとストレッチ。固くなっている側をストレッチし、弱い箇所をトレーニングするのが基本です。

 ただ、一気に姿勢を直しすぎないということも大切です。身体は長い間の練習やトレーニングで歪みを作っています。現在はその動きに慣れているために、一気に歪みを矯正しようとすると逆にパフォーマンスが落ちることもあるのです。優先すべきは痛みを生じているものや、故障に直結するであろうもの。選手によっては長所を生かすために、あえて姿勢の欠点を放置している人もいます。まずは自分の姿勢を知り、うまく自分の身体と付き合っていくことが必要となるのです。



【ストレッチ・トレーニング用語集】(10月09日現在)
デッドリフト背筋を使って、重りを下方から持ち上げる運動(脊柱起立筋に効かせるトレーニング)
バックエクステンションいわゆる背筋運動(脊柱起立筋に効かせるトレーニング)
シュラッグ重りを持ち、肩をすくめるようにして行う(僧帽筋に効かせるトレーニング) 
僧帽筋「肩こり」を感じる部分
骨盤骨格を支えるための土台(身体の腰部を形成する左右の寛骨・仙骨・尾骨に囲まれた骨部分)
胸のストレッチ①腕を大きく広げ、肩甲骨を寄せる ②手を後ろで組み、胸を張る

(監修=殖栗正登)
(文=渋谷亮)

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プロフィール

殖栗正登先生
  • 生年月日:1976年1月22日
  • 出身地:新潟県
  • 新発田南高校卒業後、立正大学に進学。
  • 怪我のため、野球部を退部するもプレイヤーとしての情熱を持ち続け、米国、台湾で野球(2軍練習生)として夢を追う。しかし、度重なる怪我によりプレーヤーとしての道を断念し、引退。
  • その後整体やカイロプラクティックなど、体に関する様々な分野を学び、整体とスポーツトレーニングを融合したボディバランス整体院を開設。
    現在、ボディバランス整体院で、多くのプロ野球選手から大学野球,高校野球などのアマチュア選手まで幅広く指導。モデルなども指導している。
殖栗正登先生